2時間半!長えぞー…面白くないぞー(笑)
冗談です。
おれはなんか息を詰めるように…なんか祈るような気持ちで最後までスクリーンを見つめてしまいました。
「山に魅せられた」というより山で生まれ育ち山から離れられないブルーノとそんなブルーノに憧れを抱きながらも町を離れられなかったピエトロ…
そんな2人の友情…映画的に分かりやすいベタな作りではなくなんかもどかしささえ感じるほどリアルな関係…
だから少年時代はともかく大人になってからの2人は見てるこちら側がつい望んでしまうような友情関係(映画的な)にはならずギクシャクしてなんとも歯がゆい感じ…
こんなシーンがあります。
1人山に住むブルーノのところにピエトロが数人の町の仲間たちを連れてやってくる。
歓待するブルーノ…
中の1人が「こんな美しい自然に囲まれて暮らすなんて素敵!」
するとブルーノは…
「自然…なんて言葉は町の人しか使わない…おれにとっては山があって川があって谷がある…それだけ…」
ドキリとする…おれも山間の田舎生まれだけどいつのまにか「自然豊か」なんて言葉を使うようになってる。
都会人が田舎暮らしに憧れて田舎に泊まろう的なテレビなんかもあるけどその時の地元の人間と都会人の微妙な壁…それを見る我々の感じる微妙な違和感…
山の民と町の民のお話…
ハイジが山を降りてクララの住む都会にやって来た時、山恋しさのあまり夢遊病になってしまうエピソードを思い出す。
ブルーノも間違いなく山を降りたら破滅する…
だからラストは本望ということなのでしょう。
中途半端なピエトロが私たちの分身…
でもそんなめんどくさい人間たちの人生に関係なく山々はただひたすらに神々しく美しい…
だからこの映画を観て…
「大自然の映像がとにかく美しい映画!」(おれも言うけど)なんて言うのはこの映画を全然分かってないと言われても仕方ないわけです(笑)