いつもいっちゃん

プアン/友だちと呼ばせてのいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)
5.0
「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」の監督最新作。
タイ映画、またも傑作。

病で死を意識した青年と、お金持ちの友人。
死ぬ前に元カノに会いたいと友人に頼み込み始まるロードムービー。
とだけいかない、まさかの構成のある映画でした。
ある展開にシフトチェンジしていくんですが上手く作用してるんですよね。作品全体が。
流石、この監督さん普通の作品を作りませんね。
ユーモアと思い出、そして前作にも共通する「後悔」の想いが観る者を捕え、開放へのドラマへと昇華していきます。
ただバッドジーニアスより、今作の方が大人向けであり、ビターな部分も残します。
だからこそより余韻深い感動がありました。

冒頭からの「Whiplash」でテンション上がり、ゴキゲンな選曲が続々。
音楽が良い映画です。
そして映像もとても綺麗。
ロードムービーを締める3人の女性たち。
あと実は、、、な展開も予備知識なしで観て、個人的には思っていたのと違う展開になっていきましたが、なるほどタイトルの意味、、、
この場合、良い意味で違うところに連れて行かれましたし、やはり友だちになるということに対する真摯な視点。
それは良いことも、悪いことも含んだことだったのか。
大人の友情の形。とても心に残りました。

こういった予想に反した良さがある映画を見つけると嬉しくなりますね。