このレビューはネタバレを含みます
ナレーターが長峰由紀。映画というか、“報道特集”。
死刑制度の是非を云々するものではなくて、死刑囚と向き合うドキュメンタリー。なぜ加害者ばかりが注目され、被害者が置き去りになるのかを問われた評論家が「加害者のほうがドラマがある」と言っていた。確かにそうなのかもしれない。
死刑なんてないほうがいい。そんな事件が起きなければいい。
ちょっと前まで、刑事裁判ってのは原告対被告のお話なので、そもそも被害者に権利など発生しないと言われていたけど、それはもう遠い過去の話。次第に被害者の意見を聞くようになったのは、ここ2~30年くらいのことかしら。でも、それは重罰化を推し進めるものではなくて、被害者の感情回復を極刑以外に求めるためのものだったはず。
自分の周辺に何かが起これば、犯人を殺したいと思うこともあるだろうけど、それと極刑を望むのとはまた別でなければならないし、令和にもなって「死刑にして解決」というのを文明は許してはいけないと思うんだよな。
あと、第三者がギャーギャー言うのが一番イヤだ。「凶悪犯を野に放って何か起きたら責任取れんのか?」って、取るわけないだろ。