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ショウほど素敵な商売はないのodyssのレビュー・感想・評価

3.5
【モンローの重み】

有名な映画ですが、やっと最近BS録画で鑑賞。

この映画の見どころは、両大戦間のアメリカでやっていたショウの模様なんでしょうね。モデルになった一家の人間模様という点からすると、あまり大したことはありません。それは、この映画の主軸がショウや歌に置かれていて、人間ドラマを作ることではないからです。つまりミュージカルそのものではないけれど、それに近い。そしてミュージカルでは筋書きはだいたい大ざっぱでいい加減と決まっているから、この映画もその辺は心得て見るべきなんでしょう。特にラストなんか、ご都合主義もここまできたら笑っちゃう、ってくらいなものですから。

そういう中で、マリリン・モンローの役どころが、ちょっと面白い。ショウマン一家の次男と恋愛関係になるのですが、自分はそういう家族の後ろ盾やコネを持たないからチャンスは逃さないようにしないと、という意味のセリフには、重みがあります。私は個人的趣味からするとモンローは好みではないのですが、この映画では一人でショウマン一家の5人に拮抗していて存在感抜群であり、案外この辺に彼女の本領があったのではないか、という気がしました。今風に言えば、キャリアを取るか恋愛(or家族)を取るか悩む女を演じるモンローは、彼女を語る場合に欠かせない一面なのではないでしょうか。
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