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恋文のchiyoのレビュー・感想・評価

恋文(1953年製作の映画)
3.5
2022/5/14
田中絹代の第1回監督作品で、脚本は木下恵介。元エリート軍人の真弓と、彼のかつての想い人・道子。真弓演じる森雅之が相変わらずの鬱屈さで、モリマらしいモリマが見られる。対する道子演じる久我美子は、当時22歳ですこぶる綺麗。が、何よりも、ゲスト出演の面々がとにかく豪華!田中絹代へのご祝儀かのように入れ代わり立ち代わりで、出演に気付けなかった人も多々。そんなお祝い感はあるものの、ストーリーはなかなか辛辣。戦争が生んだ女性の生き方への嫌悪、所謂パンパンと呼ばれる人たちへの蔑みが感じられ、同性として悲しい気持ちになる。田中絹代自身に偏見があったとは思わないけれど、恐らく当時の一般的な認識がこれだったのだと思う。それにしても、恋文の代筆というのがとても素敵。
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