HiromiA

ハンサン ―龍の出現―のHiromiAのレビュー・感想・評価

ハンサン ―龍の出現―(2022年製作の映画)
3.4
 日本人を演じたパートを日本語吹替で、朝鮮語に対しては字幕という部分吹替版。そのため役者の口の動きと吹替に違和感を覚えてしまったが、まあ韓国映画にしては日本人武将に対してそれなりに描かれていたかな。それでも武士道に関する理解はいまいちなんじゃないかとも思った。確かに閑山島海戦は日本水軍の敗北に終わったがそれで戦況が変わったわけではなく、その後も日本軍の進行は続き明が介入するほどまで行ったし、釜山が朝鮮水軍の砲撃で奪還されたわけではなく、秀吉の死によって日本の国内情勢が混迷し全軍撤退を余儀なくされたからなんだけど、韓国じゃこんな風に思われているんですかねえ。まるで戦争中の大本営発表みたいな感じでした。装備の十分ではない小舟を操る日本水軍が重装備の朝鮮水軍にほぼ対等に戦うさまとか、それぞれの司令官がしがらみや人間関係で苦労するさまとか、間諜と裏切り、そして同調しない部隊なども描かれ、映画としては楽しい時代劇ではあったのですが、最後の字幕を含めたその後の出来事に関して歪曲された史実を見せられたような気がしてちょっと残念だった。
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