チッコーネ

ハンサン ―龍の出現―のチッコーネのレビュー・感想・評価

ハンサン ―龍の出現―(2022年製作の映画)
2.7
イ・スンシン3部作の2作目、キム・ユンソク主演の最終作は、まもなく日本公開予定。
チェ・ミンシク主演で韓国興収王座を10年間防衛中の前作『バトル・オーシャン』は、日本で言うところの『慶長の役』に生じた『鳴梁海戦』の劇化。
本作はそれ以前の『文禄の役』に生じた『閑山東海戦』を描いている。

豊臣秀吉の野望実現のため勃発した国家間戦争を、あくまで自国(朝鮮)目線でヒロイックに描く脚本、両陣営の内部衝突も挟み、緊張を高める。
時代柄、すべて人力で動く軍艦に潜む驚きの仕掛けはフィクショナル、画面はどこから実写でどこからVFXなのか、判然としない。
海戦と並走する陸上戦のシークエンスは不要だったが、蛇足の人情エピソードが多かった前作に比べ、より戦況へ集中する内容だった。

大作ゆえキャストは豪華、もともと文系男子然としたパク・ヘイルがイ・スンシン役に適していたかどうかは疑問で、印象もあまり強くない。
ピョン・ヨハンやアン・ソンギの端正が際立って見えるが、パク・ジファンのような役者が時代劇の美粧に身を包むと、別人のように男ぶりが上がるのに驚き。
日本人役の役者の音声は吹き替えの様子、少なくとも口の動きは日本語だったので、台詞を覚えたのかと苦労が偲ばれる。