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ヴィレッジのmakoのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
4.0
《やがて、夢から醒める。》
◎80点

監督・脚本: 藤井道人
企画・制作・エグゼクティブプロデューサー: 河村光庸
『新聞記者』『ヤクザと家族 The Family』のスタッフがオリジナル脚本で挑んだ作品。

【あらすじ】
夜霧が幻想的な、とある日本の集落・霞門村(かもんむら)。
神秘的な「薪能(たきぎのう)」の儀式が行われている近くの山には、巨大なゴミの最終処分場がそびえ立つ。
主人公はこの村に住む片山優(横浜流星)。優は、この施設で働いていてる。母親が抱えた借金の支払いに追われ、父親はこの村で事件を起こし優はその汚名を背負い、希望のない日々を送っている。
そんなある日、幼馴染の美咲(黒木華)が東京から戻ったことをきっかけに物語は大きく動き出す―。


「村」という閉ざされた世界で、希望もなく、日々過ごすだけの生活を送る青年・優。
村人からは白い目で見られ、借金のため村から出ることもできない。八方塞がりの中、東京から戻ってきた美咲の存在がやっと優を照らし出した。

この村で起こっていることは、現代日本の縮図のようだった。
同調圧力、格差社会、隠蔽、改竄、貧困。
観ていて重苦しくなった。
逃げ場のない生活を送る優の顔はどんよりしていて、生気がない。
美咲と再会し、美咲のお陰でやっと日の目を見たと思ったら…。

本作では能や能面が印象的なシーンや暗喩として使われていると思いました。能の演目は「羽衣」「邯鄲」。


村の財政を支えるために巨大なゴミ処分場を作ったと思うが、美しい村には不釣り合いで異様な景色に見えた。
でもなんだかリアルに感じました。日本のどこかにありそうな感じでした。

どん底から、一筋の光に導かれ人並みの幸せが送れると思っていたのに…。
夢は儚かった。

ポストクレジットがあるので最後までご覧下さい⚠️
あの青年は光に向かって歩んでほしいと思いました。

横浜流星の演技が素晴らしかった。生気のない顔から一躍村の顔になった変わり様を好演していた。
一ノ瀬ワタルがまたしてもクズの役ですごくハマってた。怖いよ😱
古田新太、杉本哲太も怖かった。
ハマり役でした。
黒木華ちゃんが唯一の癒しでした✨

見応えがありました。


観客 7人
劇場鑑賞 #49
2023 #52
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