りんごチャン

蜂蜜のりんごチャンのレビュー・感想・評価

蜂蜜(2010年製作の映画)
3.8
「卵」「ミルク」とともにユスフ3部作のうちの1作品。

森の中で父親からいろんな事を学ぶユスフは父親が大好き。父親も幼いユスフを温かく見守る。ユスフには気がかりな症状があり小学校での音読に苦戦するが、唯一小声で問題なく話せるのが父親だった。養蜂を生業とする父親は蜜蜂の激減により新たな巣箱の置き場所を探すため家を出るが...。「夢を人に聞かれちゃダメだ」という父親と軽々しく見た夢の話をする母親の対比が印象的でラストに繋がっているように感じた。

幕開けから“難解作品”ムードが漂い静けさで瞼が閉じてしまう危険性があったが、難解レベルは低くノスタルジックな映像での未知の生活圏に魅せられ眠くなるどころではなかった。布モノが可愛かったり女性のスカーフが色鮮やかなところは「馬を放つ」を想起させた。映像に堪能。