TAK44マグナム

HATCHET After Days/ハチェット アフターデイズのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

4.3
夢の対決、実現?!


度が過ぎた冗談みたいなゴア描写で笑うしかなかった「ハチェット 」の続編です。
監督は続投のアダム・グリーンですが、主役は同じなのに女優さんは代わってしまっていますね。
もう嫌になっちゃったのかな(汗)?
でも、前作のまさにラストカットから始まります。


呪われた殺人鬼ビクターが巣食うといわれる沼地を観光していたら、案の定現れたビクターによって顔の皮をベロンとされたり、斧で掻っ捌かれたりと、みーんな殺されたのが前作。
最後に生き残ったメリーベスは、殺された家族の遺体を取り戻すために再び沼地へ行こうとします。
メリーベスはビクターの正体を知るハロウィンショップの聖ゾンビと取引をして、彼の集めたハンター達と共に沼地へ、止せばいいのにリターンしちゃいます。
聖ゾンビには彼なりの目的もあり、他のメンバーの殆どはビクターの存在をただの噂ていどにしか思っていませんでした。

しかし「ハチェット 」シリーズは沼地に入ってしまえば、あとはビクターが暴れまわるだけの典型的なスラッシャースプラッターなので、怪しい雰囲気になるとハズすことなくビクターが「ウゴウガーッ!」と出現!
日頃鍛えた様々な殺人テクニックの大発表会を頼んでもいないのに催すのでした!


いや〜、前作も退屈な前半が終わるや否や始まる気前のよい殺戮ショーに拍手喝采な、「悪魔のいけにえ」や「13日の金曜日」系統が好きな者にはタマラン映画でしたが、続編となる本作もまったく変わることなく、ただひたすらに人の首が飛んだり、顔がスライスにされたり、問答無用で寄生獣みたいなルックスに強制整形されたりする悪趣味な人体破壊カタログ映画でしたよ!
どれだけドイヒーなグロリンチョを創造できるか?
本当にそれだけしかやってない。
「地球外生命体捕獲」や「力王」でも印象的だった、小腸を引きだしてロープみたいに使うなんてのも、超おバカでイカしてます!
「マチェーテ」でトレホも小腸でピンチを脱していましたけれど、流行っているのか小腸!?

タイトルになっている「ハチェット =斧」よりも、怪力で人の身体を無理やり破壊する殺人技のほうが目立っていた前作同様、本作でも斧も使うものの、自慢の怪力にくわえて、ロングブレードチェーンソーや電動ヤスリ、ボートのスクリューなど多種多様な殺人ギアを駆使してハンター達をどんどん狩ってゆくビクターの勇姿が思う存分楽しめます。
ゴア描写も磨きがかかっており、顎ぶっこ抜きや二人同時に真っ二つ、脊髄を引っこ抜いて皮ぜんぶベロンチョさせる等々の荒技、大技を連発してくれますよ!


始まり方もそうなら、終わり方も気の狂った血祭り状態でして、ブシャーブシャー!と鮮血が舞い踊り、トドメの1発で唐突にブラックアウトするセンスがマグナム的にかなりツボでした!
余計な描写は一切ナシ!
スプラッターホラーはこうでなくてはいかん!という、文芸作品やアート作品ではありえないような思い切りの良さが頭が悪くて最高じゃないですか!
疲れた時には、こういうのが観たくなるんですよね。
だって頭つかいたくないし。
娯楽って、どれだけバカになれるか・・・でもあるのです。

このシリーズの良心は、グロリンチョを変にボカしたりせず、ちゃんとみせてくれるところだと思うのですが、その点において
全く抜かりがない素晴らしい仕事っぷりにプロフェッショナルなコダワリを感じますね。
血しぶきだけ飛ばして、あとは観る者の想像力にまかせるといった場面もありますが、そんな余裕も、それはそれでアリでしょう。


一作目では、あの「エルム街の悪夢」シリーズのフレディ・クルーガー役で有名なロバート・イングランドがビクターにかわいがりを受けてましたが、それはつまり「フレディVSジェイソン」へのリスペクトだったのでしょう。
なにしろビクターを演じているのが、世界一ホッケーマスクが似合う男を「マッドマックス2」のヒューマンガス様と争い続けていると噂のケイン・ホッダーですからね。
そして本作では、「キャンディマン」や「ファイナルディスティネーション」シリーズでホラーアイコンとなったトニー・トッド演じる聖ゾンビ(前作ではカメオ出演)がガチでビクターと取っ組み合いの大バトルを繰り広げるのですから、これはもうホラー映画界の珍事・・・じゃなかった、一大事!
まさしくドリームマッチの実現じゃないですか!
世間一般的には凄いのか凄くないのか何とも微妙だったりもしますけども、トニー・トッドの死に様は疑いようもないほど凄く悲惨且つ最高に愉快なギャグなので、皆さん座を正して観てくださいね!
更に、「チャイルドプレイ」のトム・ホランド監督も、重要な役柄で俳優として出演しておりますよ。

ちなみに、トロマ総帥のロイド・カウフマンや、「ワナオトコ」シリーズの監督マーカス・ダンスタンもカメオ出演していたり、アダム・グリーン監督自身も路上にゲロを吐く役で出ちょります(苦笑)


さてさて、最近になってまたもや復活した殺人鬼ビクター。
ホラーキャラクターの人気者は数多いですが、これからも何作にわたってキルカウントを増やしていきそうな予感がする逸材DEATH!
ますます、ウルトラヴァイオレンスな人体破壊王ぶりを期待してやみませんね!

しかし、過去映像のビクターはヒョロヒョロした痩せっぽちなのに、一度死んでからはそうとう鍛えたんだなぁ。
ゴールドジムにでも通ったのか、はたまたビリー・ザ・ブートキャンプのビデオでも拾ったのか・・・(苦笑)


レンタルDVD(GEO宅配)にて