約半世紀前に作られた、ルネ・ラルー監督による切り絵アニメーション作品。
アニメーション作品史上初めてカンヌで賞をとった作品でもあります。
初めてみたのは中学生の頃でしたでしょうか。
今年、初のDCP上映ということで再鑑賞しました。
絵の美しさや、ちょっとシュールなお話を楽しめる方には至極の作品です。
以前は、完全なる空想アニメとして認識していましたが、あながちただの空想とも言えない描写も多く、そこがソワソワドキドキさせられる所以なのかも知れないなと思いました。
オチどころも、パラレルワールドかと思いきや…!え!っていう類なので、ドキっと。
このお話の面白いところは、ドラーグ人よりも人間のほうが骨董無形な行動を取っていること。人間の常識が他の動物と同じではないことがほとんどなのと同じように。つまり、ドラーグ人を軸にして描かれているんですよね。
ストーリーや設定についても素晴らしい映画ですが、なんと言っても絵が素晴らしい!アニメというよりも絵画です。何百枚もの絵画を一気に観ているような感覚で、なんと贅沢なこと!
このカクカクとした動きもまた物語の雰囲気を作る一因となっていてたまらなく良いのです。