回想シーンでご飯3杯いける

ファンタスティック・プラネットの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.6
フランスとチェコの合作による1973年制作のアニメ映画。パケ写の世界観がそのままアニメとして動くビジュアルはかなりシュール。更に、音楽、SE、フランス語による声優の演技が相まって、かなりインパクトがある。これが'70年代当時のヨーロッパでどういう風に捉えられていたのか定かではないのだけれど、気持ち悪さ半分、そして、実は芸術的な美しさも強く感じた。

世界観に圧倒されて見落としがちなストーリーは、例えば手塚治虫「火の鳥」でも描かれていたような、地球の価値観を越えた宇宙世界を舞台にした、生命と共存の物語。人間と動物の関係を比喩的に描いている感じもして、意外とメッセージ性が強い。40年以上前にこんなぶっとんだ映画が作られていたというロマンも含めて、観る価値のある作品だと思う。