しちれゆ

1640日の家族のしちれゆのレビュー・感想・評価

1640日の家族(2021年製作の映画)
3.9
実子が2人いるのにさらに1歳半のシモンの里親になったアンナ(日本人にとっては不思議ですよね)。里親の条件として″個室を与えること″というのがあり、実の子は2人一部屋。お兄ちゃんが「僕も個室が欲しい」と言いムリくり仕切りを作った部屋の狭さに「これじゃ物置だ!檻だ!」と怒るのも、そうだよね。
4年半たってシモンの実の父親がシモンを育てたい、と言ってくる。この父親は悪い人ではないけどシモンの気持ちを自分の方に向けたくて自己中発言。「アンナをママと呼ぶな」「シモンと楽しい時間を過ごしたいから宿題はそっちでやらせて」里親制度の最終目的は″実の親子が一緒に暮らして幸せになること″アンナはその正論のまえには為す術もない。シモンも本当はアンナが大好きなのに父親を気遣って沢山の我慢をする。里親コーディネーターも父親寄り。さよならをしたアンナの車を泣きながら追いかけるシモンと彼をきつく抱きしめるアンナ。悲しい別れ。けどこの時はアンナはシモンのためというより彼によってもたらされる自分の幸せを失いたくなかったのだと思う。
ある日、街で見かけたシモンと実父。買い物袋を沢山持って楽しそうに歩いてる彼ら。「追いかけよう」と言う子供たちに「駄目、シモンは家族といるの」と言うアンナ。この時こそアンナは心からシモンの幸せを願ったのでしょう。
アンナ役のメラニー・ティエリーがとてもきれいでした✨
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