リンコロシネマ

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリームのリンコロシネマのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

(少しだけネタバレあります)

その昔、宇宙船のようなモノに乗って人の体内を探検(?)する『ミクロの決死圏』('66米)という映画があった。昨日観たデヴィッド・ボウイの映画『ムーンエイジ・デイドリーム』は映画館という船に乗り込んでボウイの体内に入り込み脳内に刻まれた夢、苦悩、思想、幻想、哲学、宗教、そして芸術を目の当たりにしたような極めて特異な135分の映像体験だった。

まず偉人のドキュメンタリーは主人公の周辺にいた人物などの証言を元に構成されることが普通であり、我々もそれを当たり前のように受け入れているが『ムーンエイジ・デイドリーム』にはそういった場面が皆無。デヴィッド・ボウイ自身の言葉で語られ進んでいくので客観的な視点が一切ない。

音、映像、そしてボウイの言葉…とにかく私には追いつけないほどの圧倒的な情報量なので頭の中がオーバーフロー状態…いつもは貴重な台詞や場面をかなりの割合で覚えているのだが…。

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【もはやこの作品はドキュメンタリーというカテゴリーでは収まりきれない“デヴィッド・ボウイ”という壮大なアート作品】

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「ヒーローズ」から時折り意味不明の涙が出てきたのはなんだったんだろう…感動や感傷が入り混じったものだったか…

「ハロー・スペースボーイ」のライブシーンの音が凄まじく、IMAX中毒の私が体感(そんなに本数を観てませんが…汗)した中でもズバ抜けた轟音でした。あの音は異次元に誘ってくれた。

そういえば私が20代の頃にバンドでコピーした「ジギー・スターダスト」が流れなかったな。後からそんなこと思い出したけど全く気にならなかった。

少し時間が経てばまとまるかと思ったが全然まとまらない笑。まぁそんなことが不可能なほど奥の深い作品なのでリピーターが続出するのも至極納得。私もまた“もう一度観たい”と思っているしBlu-rayが出たら絶対に購入して一時停止ボタンを押しながら言葉や映像を場面毎に堪能しながら鑑賞すること必至です✨

【追記】…やっぱりミック・ロンソンはかっこいい!