ゲル

手のゲルのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
3.7
松居大悟監督らしい作品でとても観やすかった。
言い方を変えると、刺激的なシーンが多めではあるものの全体的な雰囲気はあまりエロくなかった。
直球のエロスを求めて観るとちょっと物足りなさがあるかもしれない。
さわ子役の福永朱梨がわりと女子受けしそうなモデル的可愛さで、ロマンポルノといえど抵抗なく観られるものの、醸し出すエロさのようなものがもう少しあったら更に良かったかなと思う。
普通の若者に見えるけれど、年上男性を掌で転がして楽しんでいて、でも実はやはり搾取される側でなかなか幸せを掴めないという寂しさの表現が上手かった。 さすがに津田寛治とのカラミはなかったか……。

そもそも論。
女性の恋愛観には父親が大きく影響していると言うが、作品のテーマとしてエロと父親はやはり対極にある。
同時に描こうとしたのは良くなかった。
急に現実に引き戻されてしまう。
ただ、ザ・日本の父親代表!みたいなさわ子の父親はとても良かったし、さわ子とのやり取りがなんだか切なくて泣きそうになった。
もはやロマンポルノ要素なしで観てみたいとすら思ってしまった。

妹がなぜあのタイミングで電話してきたのか謎。
それだけは受け入れられなかった。
それと、冒頭のバーは客の質が最低。
想像しただけでゾッとしたし、お金をもらっても絶対行きたくない!
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