RT65

百合の雨音のRT65のレビュー・感想・評価

百合の雨音(2022年製作の映画)
3.2
照れなのか何なのか、(金子修介も言うても爺さんなので)百合映画という事で若干カリカチュアしているのか、大仰な音楽と演出が気になった。
室長役の花澄はそれを理解して演じているっぽいが、それに対するより現代的で自然体の小宮一葉の演技との食い合わせが悪い気がした。
ていうか攻め役の小宮一葉のキスや乳首責めに全然本気度が感じられず(乳首は一瞬舐めたかどうかという感じ)花澄の絶頂演技におんぶに抱っこになっているのは正直どうなんだろう。(とは言えそこはノンケが演じている限界でも有り、また、セクハラ・パワハラにも成りかねないので難しい所では有るが…)

『愛してる!』もそうだったが、同性愛者の恋愛感に男性の製作者の感覚が追い付いていない気もする。相手を好きに成る動機がよく分からない(ちなみに今作の脚本は女性)。どちらもリスペクトの延長という感じで、男女の恋愛では描き辛い“支配・被支配”の関係に持って行きたがっている気がする。
男性は性欲が恋愛の出発点だろうが女性はリスペクトが出発点という事だろうか?
なんかそういう幻想じみた物を抱いているのか、もしくは百合をイロモノとして捉えているだけで何も考えていないのかのどっちかだろう。

とは言え、花澄の全裸を真正面から捉えたカットなど、三作中で一番エロかったのも事実だった。
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