爆裂BOX

ネプチューンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ネプチューン(2006年製作の映画)
3.9
81年、バルト海を航行中のソ連の軍艦の前に突如、38年前に消息を絶った潜水艦「スコルピオン」号が現れる。この謎を解くためトラビス中尉は乗組員の唯一の生存者ハーディらと共に船に乗り込み38年前と同じ航路を再現しようとするが…というストーリー。
アルバトロスが放つ潜水艦ミステリーアクションです。原作はジョージ・E・シンプソン、ニール・R・バーガーの「幽霊潜水艦浮上す」です(未読です)
冷戦中の1981年を舞台に、1943年に「北のバミューダトライアングル」と呼ばれる海域で行方不明になったイギリスの潜水艦「スコルピオン」号が突如浮上し、艦内に乗組員の姿はない。この謎を解くため、唯一の生き残りで海洋学者のジャック・ハーディを加えて当時の航路を再現するという内容ですが、艦内ではジャックが幻覚見たり、謎の囁き声が聞こえたりとオカルト色強くなっていきます。
日誌通りに魚雷発射演習を行おう押した時にソ連の潜水艦が接近し、潜水艦通しの交戦になっていくシーンは画的には地味ですが、注水音や魚雷管を開ける音等の音で相手の情報や位置をくみ取って攻撃を仕掛け攻撃をかわす展開は緊迫感ありました。発射したのが演習用の魚雷のはずが、実弾だった為に一気に戦争になるかもという展開も緊張感あります。
戦時中のドイツ戦闘機が空飛んだりとタイムスリップしたのか?と思わせる展開になりますし、航路を進むごとに当時起こった事が再現されるように起こり、若い乗組員たちが亡霊にとりつかれ正気を失っていきます。
この中でハーディと艦を設計した技師で機関士長として乗船したキャシディの爺様二人が事件の真相に迫り、知恵を絞ってソ連のカーニングラード(戦中ドイツの造船所があった)を攻撃して第三次大戦が起こるのを防ごうとする後半の展開も楽しめました。完全に艦長と同化し一人で攻撃続けようとするトラビスと船に残ったハーディの最後の戦いも緊張感あって面白かったです。
ラストのオチも切なさを感じさせて良かったです。ハーディを迎えに来ていたとも感じさせますね。でも、商船とかも攻撃したみたいだけどそれを全部無かった事にするのは結構無理あるような…
登場人物オッサンが殆どで(脇で若い男の子もいますが)女っ気もなく、絵面も地味ですが、亡霊によって支配された潜水艦の中で頑張る爺様二人の活躍がかっこいいですし、TVムービーとは思えないくらい潜水艦内のセットも本格的ですし、一見の価値ある作品ではないでしょうか。
最後に作品登録ありがとうございます。