高崎映画祭で受賞されていたので鑑賞。めちゃくちゃよかったです。沖縄を舞台にする事に意味があったのか、と言われると、よく考えると微妙な気もするけど、私は昨年のWOWOWのドラマ「フェンス」と双璧を成す沖縄作品だと思う。
かなり社会派。自分とはかけ離れているので、これが真実なのかと言われると正直わからないが、あり得るかもしれない…というか、実際にあり得そうと思えるほど、嘘が無いように感じた。
唯一、お葬式のシーン。
最初、亡くなった人を勘違いしていて(おばあちゃんかと思った)、いやそんな豪華な葬式出せんでしょう…!(遂に嘘っぽい所来ちゃったか)と思ったら、とんでもなかった…度肝抜かれた。
個人的にめちゃくちゃリアルだと思ったのは、昼間の仕事の面接のシーン。
時給を聞いて、毎日来るように言われて、萎える。
そりゃそうだ…短時間で高収入な稼ぎ方覚えちゃったら、やってられない気持ちはとてもよくわかる。
つまり何が言いたいのかというと、そこがもう普通の感覚とは違うということ。大抵の人は、それでも昼の仕事をしようとすると思うんだけど(抜け出したいなら。というか、昼の世界を知っていれば)、そんなにこだわりがない。そして、夜の世界に抵抗がない。ということの証明のようなシーンだなと思った。
別に夜の仕事が悪い訳じゃなくて(携わられている方すみません!)、これは誰が悪い訳でもない。勿論彼女は悪くない。つまり、環境というか、教育…?
人の思想を形作るのはまさにそこなんだな、という事を垣間見てしまったような気がして、ちょっと鳥肌だった。
監督は工藤将亮さん。名前を聞いた事があるような気がしたのですが、お初でした。(「先生を流産させる会」の方かな…?と思ったのですが、それは内藤瑛亮監督でした。観れていないんですけど、だいぶ前に知り合いの方が胸糞系と言われていたので名前を覚えていて…雰囲気から行ってそうかな?と思ったんですが、違ってました。失礼しました!)
役者さんはメインの方は全く知らなかったのですが、とてもよかったです。花瀬琴音さん、彼女も高崎映画祭で受賞されていました。監督が新進監督グランプリ、彼女が最優秀新人俳優賞です。
脇が結構豪華で!
カトウシンスケさん(彼はほんと私好みの作品に出られている率が高い…!)、中島歩さん、宇野祥平さん。弁護士さんが池田成志さんだったのか。
ほんとワンシーンずつですが、どの方も印象に残る役です。
でも、一番上手かったのは、健吾!
めちゃめちゃ可愛かった…
故に、この感情移入の仕方はわかるなと思った。違う意味で説得力。
アオイが最初はDV夫から逃げたいのかな?と思ったけど、そんな単純な事ではなくて…好きなんだな、っていうのがすっごく伝わってきて、余計辛かった。こういう人、実はいっぱい居そう…だから余計真実味があった。それさえなければ改善の方法はあるだろうに…(実際公的介入がされるシーンがある)。愛の怖さ。
かなりヘビーなので、メンタルがある程度保てる時の鑑賞をおすすめします。でも、おすすめです。社会派好きの方に。