爆裂BOX

バトルロワイヤル・オブ・ザ・デッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.2
かつて大手プロレス団体で活躍していたマンソンブラザーズに人気レスラーと対戦するチャンスが巡ってきた。しかし試合当日、暴風雨で観客と選手は会場に閉じ込められ、更に怪しげな筋肉増強剤を使用した選手がゾンビと化し…というストーリー。
ゲオ先行でリリースされているゾンビ・アクションです。監督は「パシフィック・リム」等に出ている俳優のマックス・マーティニが担当してます。元UFCファイターが多数出演してるようですが、プロレス詳しくないのでわからず…
かつては人気のヒールレスラーながら今は落ち目のマンソンブラザーズが、かつて対戦して今はメジャーで活躍する人気レスラーと対戦するチャンスに恵まれるも、ハロウィンの試合当日に暴風雨に見舞われた上、中国製の筋肉増強剤を使いゾンビになったレスラーたちに襲われることになるというストーリーですが、冒頭でいかのもなホワイトトラッシュな父親が息子に読み聞かせているコミックの内容という体になっています。「クリープショー」やドラマの「テイルズ・フロム・クリプト」みたいな感じ。
ゾンビ達の襲撃が始まり戦いになるのは終盤くらいで、それまではマンソンブラザーズと仲間のレスラーたちのユルーイダラダラした感じの会話が主に進んでいきます。ちょいタランティーノ意識した感じかなぁと思いますが、ゾンビの暴れっぷりやレスラーとの戦い期待した人は退屈すると思います。個人的にはゆるいんだけど、主人公のしょっちゅう言い間違いするバカな兄貴と訂正する皮肉屋でギャンブル狂の弟、師匠でもある先輩レスラーやいっつもネガティブな事いうレスラーや守銭奴なオーナー、主人公達バカにしまくる人気レスラーなどそれなりにキャラ立った登場人物の掛け合いと会話は不思議と退屈せずに見れましたね。ヒロイン的な存在は主人公兄弟の恋人なんだろうけど「美人だ」「イイ女だ」と言われるけど美人には見えなかった。主人公達とラブラブな感じは良かったけど。
ゾンビはダッシュ系で、「アイアムアヒーロー」みたいに血管が浮き出たタイプですね。しっかりしたお食事シーンはあんまりなかったかな。折角レスラーがゾンビになってレスラーと戦うけど、レスラーの特性生かしたプロレス技とか使った攻防がないのは残念。
終盤のゾンビパニックと次々死んでいく登場人物はゾンビ映画らしくて良かったけど、戦闘シーン少なめなのは残念。折角魔力持った覆面というアイテム出したのにあんまり戦わずリングの檻の中に閉じ込めて終わりは味気ない。人気レスラーとの戦いもアッサリしてたな。マスク被って襲い来るゾンビを次々千切っては投げする展開見たかったですね。
「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいなラストは割と好き。あのラストで読んでた子供が「この漫画クソ面白い!」とテンション上がるのもなんか微笑ましい。クソ面白いかは疑問だけど。次回作は吸血鬼姉妹と戦う話みたいだけど、これは昔のサント映画オマージュかな?
グラインドハウス系のゆるい作りで、レスラーとゾンビの激しいバトル期待するとがっかりするかもしれませんが、個人的には嫌いになれない映画だったな。