ゆりな

窓辺にてのゆりなのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
3.7
今泉作品史上一番分からなかった。いつか分かる日が来るのだろうか。
これは町山智浩の「映画その他ムダ話」で解説欲しかった!

1分映画批評にて、『「好きってなんだろう監督」の新境地』とあり。
確かに「愛がなんだ」は相手のことが好きを超えて「全身全霊の愛」だったし。
主人公が「妻が不倫していたこと知ってもショックじゃないこと、がショックだった。」は別にテーマじゃないらしい。ここがメインかと思っていた、なるほど〜。

「捨てることで開ける未来がある」
「後悔することや手放すこと、辞めることや諦めることなど一見ネガティブに思えることも、実は続けることと同じぐらい悩んだ末に出した結論だと思うんです。
続けることが良いことで、そういうのが良くないことというのは違うと思っていて。どちらも悩んだ末の結論であって、手放したことで手に入る時間もあると思うので。
一般的に、これは良くないとされていることを肯定的に描くことは意識していました。」だそう、インタビューより。

私、物の断捨離は「また欲しくなったら買い戻せばいい」と思っているので、得意なのだけど。元々、手放すのも捨てるのは苦手なんだよね。
でも今年、バンドを辞めるという大きな決断をしたときは、同じ「手放す」「辞める」だったなぁ〜。
苦手だからこそ、切なくなっちゃって、肩入れできなかったんだと思う。

今泉力哉は純喫茶好きだよね。
「窓辺にて」のタイトル通り、喫茶店で水の入ったグラスを指にかざしながら、「あっ、指輪みたい」とキラキラ翳すシーン。
私は「純喫茶が好きな人」がおしゃれすぎて苦手なのだけど、邦画で見るのはすき!

人間らしくて愛おしい登場人物たちが、映画のエンドロールの後にしあわせになれることを願っています。


以下ネタバレ

・最後のパフェを2つじゃなくて、やっぱり1つで頼むシーンの意味が全くわかっていなかったのだけど。
他の方の感想で「独り占めしたくなったのではないか」とあって、なるほどな。
誰かに教えたくない、「やっぱり自分だけにとっておこう」と思う思い出が、誰しもあるよね。

・玉城ティナちゃんがクールな女子高生かと思いきや、やんちゃな彼氏がいたり、その彼氏にフラれてワンワン泣いたり。意外なところがよかった!

正直過去の今泉作品観て、結局離婚せず2人が仲良くやっていくのかと思いきや、そうではないラストも意外だった。
ゆりな

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