ベンジャミンサムナー

ビーストのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

ビースト(2022年製作の映画)
3.0
 作中でイドリス・エルバ演じるネイトの娘が『ジュラシック・パーク』のシャツを着てるから、その辺の映画を意識してることが伺える。

 だが、主人公以外の人間がモンスターに惨たらしく殺される描写を直接的に観せてくれないのが、この手のモンスター(アニマル)パニック映画として物足りない。

 『ジュラシック・パーク』も『ジョーズ』も『宇宙戦争』(スピルバーグ版)も、同時期に劇場公開されてる『ノープ』でもGジャンの胃(?)の中の人間を見せる事で「こんな死に方はイヤだ!」と観客に思わせることで恐怖と緊張感を煽っていたが、本作ではライオンが密猟者を殺す描写をちゃんと見せてくれない。

 全体的に長回しのカットを多用して臨場感を出そうしてしてるが、それは枝葉的なテクニックであって根本的な"恐怖のツボ"を履き違えてるように思う。