samiam

劇場版 荒野に希望の灯をともすのsamiamのレビュー・感想・評価

4.5
久々のポレポレ東中野。
コロナ禍始まってから一度も行けてなかった。。。本作を長いこと観たかったが、なかなかスケジュールが合わず。。。本日ようやく観れた!

素晴らしいドキュメンタリー!
結構なロングランなのに、Filmaメンバーですら、なんと観ている人の少ないこと!😟いわんやFilmaメンバーではない普通の方々をやといったところ。。。😓
上映している劇場が少な過ぎるものね。。。😿 観れないよね。。。

中村哲医師。本当に偉大な人物!でも全然偉ぶったところがない。よく有名人についてオーラ(あまり好きな言葉ではないけど)を発しているということを聞くけれど、オーラなどまったく感じさせない見た目は普通のおじさん。でも為したことは物凄い!

医療施設の無いアフガニスタン、パキスタンの山間部に医師として赴き。。。主にハンセン病患者の治療に当たり。。。不審がる現地人を説得して医療施設を開設。。。。それだけでも凄いが、旱魃による飢饉を見て根本的な対策のためには水路が必要と判断し、土木工学を独学で一から学んで、やはり無理だという現地人を説得してなん十キロにも及ぶ水路を建設。田畑に実りをもたらし、更には砂漠を森に変えて!!
しかもそれを実行したのはブッシュによる報復攻撃の真っ只中。米軍の軍機を横目に現地人達とともに限られた重機と手作業での石を使った堀造り。。。作業中に米軍ヘリから機銃掃射を浴びかけたことも。。。

多くの戦闘員や傭兵に出ていた者達がこの事業を聞きつけ帰ってきて武器をツルハシ⛏️やスコップに持ち変えてボランティア作業に加わり。。。

しかし、当然のことながら全てが順調にいった訳ではなく。。。
川の流れが激し過ぎて引水について壁に当たった時は故郷に戻り、江戸時代に建設された用水路の設計図を調べて、いかに引水がされたかを見出だし(斜めに石を置く)、100年来の川の氾濫で用水路が泥で埋まったときはやはり故郷の氾濫の多かった川を治めた技術に倣い、川の流れを中央に寄せる方法を見出だし。。。めちゃめちゃ鋭い観察眼!

用水路で潤った土地にはモスクを建設し、子ども達の教育の場を提供。。。彼はクリスチャンであることが知られているが、現地の文化を尊重してモスクを建てるというところがまた見事!マザー・テレサにも通じる人間愛!ノーベル平和賞あげて欲しかった。彼なら賞金は即全額現地のために用いただろう。。。

また、彼の別の苦悩も紹介され。。。10歳の次男君に脳腫瘍が見つかり、用水路建設の最中に亡くなるという。。。用水路で遊ぶ同じ歳ほどの子どもの中に次男君と似た子どもを見つけた時には、まさか次男君の再来ではないかと確認してしまったという切ないエピソードも。。。泣けた。😰

彼が現地の人達にいかに慕われていたかがとてもよく表されていたドキュメンタリーだった。日本の政権がブッシュの報復攻撃に同調しようとしていた時に国会に招致され現地の状況を訴えたが政権は完全無視。。。
平和を作るために軍隊は要らない、ましてや爆撃などとんでもない。ということを身をもって示したかた。。。今も遺志は受け継がれていることが映されて。。。RIP

ところで、本作の中で中村哲医師の書いた文書が石橋蓮司氏によって朗読される。。。Filmaのキャスト欄には何故か記述が無いが素晴らしい朗読であったことを書き添えたい。。。
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