ShinMakita

ザ・メニューのShinMakitaのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

プライベートアイランド「ホーソン」に、豪華なレストランがある。一回の食事が1000ドル以上する超高級な店だ。完全予約制というこの店に、若いカップル、マーゴとタイラーがやってくる。僅か12人という枠を料理オタクのタイラーが運良くゲットしたのだが、誘われたマーゴは特にテンションは高くない。客は、料理評論家とその連れ、レストラン業界の3人組、金持ちの熟年夫婦、そして映画俳優&マネージャーという顔触れだ。シェフ長スロヴィクの号令でテキパキと料理を用意する料理人たちの動きを見ながら、じっと席に着くマーゴたちだったが…


「ザ・メニュー」

以下、コーリングDr.ネタバレ。

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謎シェフ役がレイフ・ファインズ。パンッと手を叩いて解説を始める姿の不気味なこと! シェフというよりカルトのリーダーみたいな雰囲気で、盛り付けも謎なら主張も謎、結局自分が気に食わない奴らをまとめて「料理」するという男でした。
多分観客の大部分がお目当てにしているアニャちゃんは、なかなか可愛く、そしてちょっと不良っぽくファインズに挑んでいきます。ニコラス・ホルトもジョン・レグイザモも、客はみんな3枚目に描かれていて、コメディ要素も強いです。ジャンル的にはブラックコメディなのかな。

レイフ・ファインズが劇中いみじくも言っていたように、誰も積極的に脱出を図らないのは…ま、諦観もあるだろうし、最後まで「演出」だと信じたい気持ちもあったんだろうけど、俺はブニュエルの『皆殺しの天使』のパロディかなと思いました。本作、一言で言ってしまえば思い上がった富裕層に鉄槌を下して溜飲下げる映画です。あんだけ工夫凝らした料理が出てきながら、チーズバーガーを一番美味そうに撮るあたり、意地悪の極致!
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