とらキチ

ハーティー 森の神のとらキチのレビュー・感想・評価

ハーティー 森の神(2021年製作の映画)
3.3
“森の神”と呼ばれる男が、野生のゾウたちと暮らす森を守るために立ち上がる。
先日開催されていたIMW2022の最中に一般公開が情報解禁された今作。IMWで毎回顔を合わせて仲良くなったインド映画ファンの方と「楽しみですねー」ってお話をしてたけど、正直ジャケ写の雰囲気を見た感じ「配給さんも中々攻めたチョイスをしてるなぁ…」といった印象でした。いざ蓋を開けてみると…
ストーリー上、自然環境、動物達の保護と土地開発の対立というメインの骨子があるのだけれど、そこに山岳ゲリラや“森の神”とは別の“象遣い”が絡んできて、内容がとっ散らかって散漫になってしまっていた。特に象遣いの立場がフラフラで、しかも結構重要でとんでもない事をしでかしているにも関わらず本人にその自覚が無いので、とてもイライラさせられた。そして“森の神”も途中、誤解からゾウに敵と見做され襲われそうになるという情け無い展開。あれだけ街の人達に「ゾウの気持ちがわかる!」みたいな感じで豪語していたくせに…とか思ってしまった。それと名作「カッコーの巣の上で」を彷彿とさせる“ロボトミー”なシーンがあって、それはある意味見もの。更にはインド映画ではデフォルトとも言える、インド政財界と警察の腐敗、クズっぷりがもう胸糞悪くなる。
劇中、ゾウの気持ちを表現するためか、ゾウの目のクローズアップショットが多用されているのだけど、ぶっちゃけ、それ見てゾウの心象なんて全然わからないし、もっと言えば、その目がとても不気味で怖くてしょうがなかった。
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