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ハーティー 森の神のyukikoのレビュー・感想・評価

ハーティー 森の神(2021年製作の映画)
3.5
「バーフバリ」でバラーラデーヴァを演じたラーナー・ダッグバーティ氏、バラーラデーヴァとは全然違うキャラで、すごい俳優だなぁと思った。

ピュアな野人。
あえて正義のヒーローじゃない役作り、そしてあの深い眼差しに引き込まれた。

野生動物っぽい動き、強そうなのにズルい人間に騙されてしまうワキの甘さ、直情的に吠える野獣のような怒り。
象たちに誤解されてしまった時の、ニンゲン相手には絶対見せなさそうな、子供のような傷ついた悲しみの表情にちょっと泣きそうになった。

踊らないけれど、いろいろインドらしい。
冒頭のファンタジー感から想像するよりはかなり重めの展開、西洋的な感覚の環境保護映画を想像していたら、なんじゃこの脚本は…と思わないこともないけど、このカオスともいえる振り幅がインド映画らしいとも思う。
海外向けに作ってる作品ではない感じだし。異文化体験。

ただ、直接的な表現ではなかったけれど、アルヴィの受けた仕打ちは生々しすぎてショッキングだった…。
(映倫区分Gだけど、子供向け象さん映画ではない…)

象は穏やかで優しい動物というイメージ(動物園でしか見たことないから)だったけど、この映画に出てきた象たちからは、荒々しい怒りが感じられたのも新鮮だった。

チャラい登場のシャンカルは、何なんだ君は…とはじめは呆れ気味で観てたけど、途中から怒涛の激重展開で、いろいろ取り返しのつかなさにかわいそうになってしまった。

「バーフバリ」ファンにはおなじみ、お祝いおじさん(ハリスチャンドラさん) が今作でも最前列の熱い民として存在感のある役だったのは良かった。

杖の忘れ物を届けてくれた小学生、どんだけ必死で追いかけてくれたんだろう!と思ったら愛おしくて、映画の中で一番心なごんだ。
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