旅するランナー

ハーティー 森の神の旅するランナーのレビュー・感想・評価

ハーティー 森の神(2021年製作の映画)
3.7
【堂々とした象】

一時期和歌山に住んでたことがあります。
和歌山の紀州弁スピーカーは「ざじずぜぞ」が「だぢづでど」になるんですよね。

例えば、南海電車に「特急サザン」ていうのが走っているんですけど、和歌山出身の車掌さんがアナウンスすると「特急サダン」になります。
「サザンオールスターズ」だって、「サダンオールスターヅ」になるわけです。
また、ある日、地元の蕎麦屋さんに入って、壁に貼られてるメニューを見て笑っちゃったのが、「だるそば」って書いてあるんですよね。
そんな紀州弁の笑い話なんですけど、和歌山県人に「象の銅像」と言わせると「どうのどうどう」になるっていうのがあります。

さて、今作は、はっきり言って、象が主人公です。
「バーフバリ」の宿敵ラーナー・ダッグバーティが主演するアクションアドベンチャー超大作ってことで鑑賞しました。
彼自身がプロデューサーも務め、役作りのために15キロも減量して挑んだらしいです。

勧善懲悪を絵に描いたような映画です。
良い人はトコトン善良だし、悪い奴はとんでもなく邪悪です。
緑豊かな森を守り「森の神」と呼ばれる男vs金儲けを目論む都市開発業者
という構図だけにとどまらず、政治家、軍部、ゲリラ集団、象使い兄さんなどが絡んできて見応えがあります。

そして、インド映画らしい人間たちの大袈裟な演技よりも、象たちの繊細な演技に感心しきりです。
堂々とした象にゾクゾクします。
紀州弁で言うと、
どうどうとしたどうにドクドクします。