まさかさかさま

フェア・ゲームのまさかさかさまのレビュー・感想・評価

フェア・ゲーム(1995年製作の映画)
2.1
一応、ネタバレ長文注意。
バレたところでどうってことない映画だとは思いますがね。



見る前から大体想像はついてましたけど、期待を裏切らないしょうもなさで、ある意味大満足。
「狙ってない」アホ映画が見たい時にはもってこいです。

身に覚えがないのに命を狙われる女弁護士と、半ば巻き込まれて一緒に逃げる羽目になる刑事のカップリング。
ど派手なドンパチあり、お約束のチョメチョメもありで、まあいかにも90年代ムービーといった趣。
ポイントは、アリー・マクビールさんに負けないミニスカ弁護士っぷりと金髪ソバージュ(ナツい)のゴージャス美女っぷりで全く弁護士に見えないシンディー・クロフォードさんと、そのクロフォードさんに負けじと、「硝子の塔」に続いてやたらとお脱ぎになるウィリアム・ボールドウィンさんの絶妙なキャスティングでしょうか。
クセの強いこのお二人のおかげで、凡百のアホ映画とは一線を画す、派手なアホ映画に仕上がっております。

基本、シンディー・クロフォードのアイドル映画だろうと思っていたので、彼女のシャワーシーンや着替えシーンの多さは納得なんですが、ウィリアム・ボールドウィンのシャワーシーンが始まった時は、「あんたまた脱ぐのか!」と笑ってしまいました。
しかし、高まる二人のリビドーはソロ脱ぎだけでは飽きたらず、敵からの相次ぐ襲撃に、もうやってられんわとシンディーさんが唐突にひとりで逃げ出し、たまたま通りかかった貨物列車に飛び乗ったのを追って、ウィリアムさんは走る車から列車にダイブしてそのままセクロス!
謎すぎる展開にポカーンとしていたら、あっという間にスナイパーがやってきて、それに気付かずパコパコするケツに照準を定められるなんていう、映画史上に残りそうな間抜けなシーンで腹がよじれました。
いいセンスしてるわー。

「マトリックス」なんかで知られる超大物プロデューサーのジョエル・シルバーが製作ってことで、派手なブロックバスター感はあるんですよね。
カーチェイスはそれなりに見応えあるし、火薬もモリモリ特盛りで、これ製作費回収できたのかなと心配になるくらいどっかんどっかん大爆発。
それなのに嗚呼こんなにも、見終えて失笑するしかないひどい仕上がり。

よく「ひどい脚本からはひどい映画しか生まれない」なんてことが言われますが、なるほどこれがそういうことなのでしょうか。
だって、刑事がついていながらクライアントにクレカ使わせて敵に居場所ばれちゃう(しかも2回も)なんてアホな展開、いくらこれが90年代映画で、今より多少牧歌的な展開がまかり通っていたとはいえ雑すぎる!
先述の、もうやってられんわモードのシンディーさんがひとり逃げ出さないように思いつきでかけた手錠を、次のシーンでさっそく銃を使ってぶち壊した結果やっぱり逃げられるなんて、貨物列車のくだりに話を持って行きたいがための展開なのが見え見えで、そんな具合にもうあちこち破綻しまくり。

でも、いいんですこれで。
間違い探しならぬ、突っ込みどころ探し映画として楽しめれば、これはかなりの上物。
下手なコメディ見るくらいなら、こういうの見た方がバカバカしくて楽しいです。
ただカルト化するにはハリウッド臭が強すぎるかなぁ。もったいない!