Pnori

感染列島のPnoriのレビュー・感想・評価

感染列島(2008年製作の映画)
3.5
もしも未知のウィルスが日本に入ってきたらどうなるのか?日本版アウトブレイク。
豪華俳優総出演!渾身の大作。
普段B級映画もどきばかり観ているので、豪華絢爛な俳優陣が眩しい眩しい(笑)

徐々に感染が広がっていく経緯が丁寧に描かれていて焦燥感は抜群。中だるみも無く、テンポも非常に良いので先が気になって物語に入りやすい。ありきたりなお話でも俳優陣の演技が素晴らしく、全編を通して緊張感が途切れる事無く進む。
日本映画では珍しいジャンルなので、初めて観た人は新鮮に感じるかも。

とは言え、良いところばかりでは無いのが非常に残念。主役の美男美女医師コンビが奔走し、ウィルスと戦うストーリーは至って平凡。
今まであったウィルスパニック映画の「あるあるネタ」をかき集めて日本版に再構築しているだけなので、どこかで観たような展開で少々物足りない。誰が感染して誰が死んでしまうのかのフラグがわかりやすいという興ざめ要素もある。

爆笑問題の田中さんが演じる控えめ過ぎる父と娘の心情は、なんというか実に日本人らしい。
病院の前で騒ぐ大衆を前に、妻の意思を尊重し静かに覚悟を決める夫。日本の慎ましい夫婦の鏡である。配役にもやられた(笑)

だがそこがまぁ…嘘臭い(笑)
一番違和感を感じるのが登場人物が揃いも揃って正義感が強く、人として優秀過ぎる。
ウィルスの暴れ方が話の展開に合わせているような、ご都合主義も鼻につく。好みによっては一気に白けるかもしれない。

どこか他人事に思えてしまう映画。次は考えさせられるようなズシリと重いパンデミックを期待してます。好きなジャンルなので誰かお願い(笑)
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