前評判につられてシャープな演出を期待すると肩すかしを食らう。できれば登場人物たちと同じようにハッパを決めながら（日本では無理だけど）、ぬるーく楽しむ映画。主役はトレーラーハウス居住の兄弟で、兄はハッパを決める保安官補で弟は車椅子生活者。弟には彼女がいて、ほかに村の阿呆や色気を振りまく女教師（彼女の母親）が加わるのが味わい深い。車椅子生活者と周囲との葛藤のようなドラマはなく、惨劇が始まる前のプロムのダンス場面も平和だ。いや、惨劇が始まってからの緊迫感のなさも平和と言えるほど。搭乗型戦闘ロボットとカイジューが戦う場面はさながらスーパー戦隊モノで、チープなVFXが効果的だ。
