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FALL/フォールのTSのレビュー・感想・評価

FALL/フォール(2022年製作の映画)
3.8
【手に汗握るが過ぎる】80点
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監督:スコット・マン
製作国:アメリカ
ジャンル:スリラー
収録時間:106分
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 いやー。みなさんの言うとおり、こんなに手に汗握る、終始力がはいりまくる映画は久々でした。U-NEXTで独占配信されましたからiPadで観ましたが、これは映画館で見ていたら比べものにならないくらい恐怖度は増していたでしょう。もちろん何の恐怖かというと高所に対する恐怖です。ワンシチュエーションスリラーが好みというのもありますが、今作はそのジャンルの中でも上質な部類に入ってくると思います。ちょっと劇場で見なかったことを後悔し始めてきました。。

 物語は単純であり、もう使われなくなった高さ約600mのテレビ塔にのぼり、降りられなくなるというもの。600mというと東京スカイツリーくらいでしょうか。高所恐怖症の自分からするともうありえないミッションであり、正気の沙汰ではないと思えてしまいます。完全に自分達が仕掛けたものであるためある意味自業自得ではあるのですが、あまりにも不憫であるため応援せざるを得ない。高所独特の風の音、ハシゴのきしむ音、そのどれもが恐怖度を倍増させ、もうあんたら動かないでくれと思わんばかりの展開が続きます。そして、何度も希望となる要素が現れるのですが、悉く潰されていき、絶望になる度にどうやって助かるんだろうと思えてしまいます。

 最後の展開にはやや驚かされましたし、少し挑戦したなと思わされる内容でした。ただ、欲を言うと主な登場人物は二人でしたから、極限状態に陥った二人の様子と関係の崩壊も見てみたかったところです。その面では今作はやや甘口であり、人間というのはもっとドロドロであるためそこを見せても良いかなと思いました。とはいえ、この展開だからこその結末ですから仕方ないと思いますし、主人公に常に同情できる設定であるあめ、胸糞悪い結末でもない。それよりもやはり道中のシークエンスがとにかく恐ろしく、固まってしまいます。それだけでも今作を見る価値は十分あると思います。高所恐怖症の方はタブレットで鑑賞するだけでもなかなかの恐怖度。気になる方はお試しあれ。

 それにしてもああ、なんであんなえげつないテレビ塔を作ったんでしょうかね笑 というか現実世界であんなの作る人たち本当に凄いと思います。高い建物の建設に関わるすべての人を尊敬してしまいます笑
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