みんと

丹下左膳餘話 百萬兩の壺のみんとのレビュー・感想・評価

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)
4.2
チラッと覗いて見ようかな?軽い気持ちで観始めたら、意外や意外!グイグイ惹き込まれたし面白かった。

丹下左膳自体の知識もゼロ、90年近くも前の時代劇、しかもコメディって… ?
全く想像出来ないし、不安要素しかなかった。

蓋を開けてみれば至ってシンプルなお話。百万両の価値がある壺をめぐるドタバタ人情喜劇。笑いあり涙あり、テンポも良く、落語的な粋さも感じる。予想通り聞き取れない台詞も多々あれど、ストーリーのシンプルさ故に救われる。

これまではニヒルな侍イメージだった左膳が、今作ではコミカルで人間味溢れる人物像として描かれたとの事。ただ、ちゃんと見せ場はハズさない。体幹がブレないサムライ走り、鮮やかな立ち回り(道場破り)。時代劇の代表的なヒーローとなったのにも頷ける魅力だった。

どのキャラもそれぞれがしっかりキャラ立ちしてる。とりわけクズ屋の凸凹コンビは最高だったなぁ。途中から登場を待ってたくらい。

それにしても、いつの時代も女は強し!掌で転がされてる男衆には呆れつつもついつい同情。更には時代を選ばない浮気心には苦笑い。なんとも、しょうがないなぁ…


そして、そう来たか!な締め方までもが粋でお洒落。
みんと

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