ほーく

GOのほーくのレビュー・感想・評価

GO(2001年製作の映画)
3.9
【問題提起】
普段、何気なく暮らしていて気づかないことって多いですよね

蔵出しレビュー。
時は、2001年10月25日

評者 ほーく
評価 4
ひとこと 実にバランスが取れている。
<コメント>
 うっかり、(「バトル・ロワイアル」で気に入った)柴咲コウと山本太郎を観にいって、ひさびさに当たりをひいたうれしい誤算だ。
 とにかくバランスがいい。どっかで見たことのあるような、オープニングの展開は日本の作品でももはやお約束になりつつあるので、もはや目をひくようなことはないが、緩急のついたストーリー展開や効果的な音楽の挿入、濃すぎず薄すぎずの歴史的問題提起、脇役のひとりひとりまで行き届いている性格描写&セリフまわし、生活臭のある数々のショットとそれを支える美術、これらのバランスが実にいい。
  監督の行定勲は、岩井俊二のもと、「スワロウテイル」であの独特の世界『円都』を作り出した経歴があるのだからつい納得してしまう。日本のようで日本でない、そんな空間が今回も現れたと言える。
 生まれながらにして日本国籍を自動的に取得し、隣国の歴史はおろか自国の歴史にも無頓着に生活している人々が大多数を占めるこの国の社会において、現在いろんな方面から再認識を求められているのは事実である。それが証拠に、この作品(映画版に限る)のようにかなり色を薄めた揺さぶりにも、無知なる故に多いに動揺する。
 幸いなことに、現在では複数の資料から多角的に情報を入手することが比較的容易になった。判断材料はそれなりにあるということだ。あとは自分がどう判断し、どう行動するかだ。
 その答えの一例は、映画にも示されている。もちろん、あれが答えの総てではないことはご承知のことと思う。
 それにしても、ほんと、うまいよなあ。この構図って結構応用利くしねえ。
ほーく

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