怨念大納言

GOの怨念大納言のレビュー・感想・評価

GO(2001年製作の映画)
4.3
「名前ってなに?バラと呼んでいる花を別の名前にしてみても美しい香りはそのまま。」
冒頭いきなりこの言葉から映画が始まる。

シェイクスピアのロミオとジュリエット、かの有名な「おぉロミオ」の台詞の続きに当たるのがこの台詞。
自我というものに対して鋭い気付きを与える台詞。
関係ないが、薔薇と自我と言えば星の王子様。
ロミジュリ(こんな略し方するんだろうか)が薔薇の実態が薔薇をかけがえないのない存在にすると言い、星の王子様は関わってきた時間が薔薇を特別にすると言う。

この映画においても、人種という名付けによって主人公は苦しむ事となるが、テーマは差別ではない。
断言出来るのは映画が自白するからで、序盤に「この映画は恋愛がテーマです」と断言される。

映画に限らず表現というのは、創作された瞬間ではなく鑑賞者に届いた瞬間に完成するのであって、鑑賞の自由の為に正誤の概念は排除すべきだと思っている。
例えば、監督の意図と真逆の明後日の鑑賞をしたとしても、その鑑賞も間違いではないと思う(重要な伏線を見落としたとか、決定的な知識不足みたいなあからさまなミスの結果は別として)。

あぁ、次々脱線する…。
つまり、創作者側がテーマを断定する事はリスクだと思うんですよ。
思うんですが、この映画に関してはそれが凄く良かった。

人種だとか自我だとか暴力だとか教育だとか家族だとか、色んなテーマに目移りしそうな映画だし、各々考え出すとキリがない。

けれど、各々の起点が恋愛であったり、恋愛が解決したり、恋愛の為の障害であったり。
恋愛という明言されたテーマがあるおかげで、霧散しそうなテーマをすっきりと鑑賞出来る。

面倒な分析抜きにしても、青春映画てして凄く面白かった。
窪塚洋介はかっこいい。
柴咲コウ可愛い。
砂場の決闘は最高。

最近見た邦画だと桐島も良かったですが、こっちも凄い青春映画でした!