17年ぶりの新作。
女の園・大奥を舞台に、新人女中のアサとカメを謎の怪異が襲う。
相変わらず未見性の塊のような、独特の世界観の作り込みが凄い。
カラフルなテクスチャで彩られたもう一つの江戸時代で、妖怪ハンターの薬売りが躍動する。
巨大な官僚機構の大奥で成り上がるには、何か大切なものを捨てなければならないと言う。
軸となるのは対照的な性格の二人の女中の友情の物語だが、同時に次々に起こる怪異の原因を紐解くミステリ。
例によって断片的なイメージ映像が、万華鏡の様に散りばめられ、直接的な言葉では語ってくれない。
まあこの辺りの「完成形は視聴者の頭の中で組み立ててね?」というスタイルはTV版からずっと同じなので、シリーズファンにとっては、これこそ「モノノ怪」の味わいだろう。
圧倒的な情報量を持つ映像の没入感は相当なものなので、なるべくデカイスクリーンで観た方がいい。
使徒みたいなデジタル妖怪とのアクションも、スタイリッシュで良かった。
クラファンの部分があるけど、エンドクレジットがマーベル映画並みに長い。