HiromiA

劇場版モノノ怪 唐傘のHiromiAのレビュー・感想・評価

劇場版モノノ怪 唐傘(2024年製作の映画)
3.5
テレビシリーズは見ていませんが、全く問題なく作品に没入できました。和紙を思わせるフィルターをかけた映像は一瞬にして観客を江戸時代へ引き込んでくれ、場面によっては何も影響をもたらさない人たちの顔を描かないことで登場人物への理解を容易くしてくれた。薬売りの正体は全く分からなかったが、ネットで調べたらテレビシリーズでもその正体については言及されていなかったようです。キリスト教の修道院へ入る女性がキリストと生涯の誓いをかわすように、大奥に入る女子たちは天子様への忠誠を誓い自分が大切にしていたものを水に投げ入れる。嫉妬や羨望は決して表に出さず、すべて天子様のためとはまるで宗教の様でした。御水様を敬うその姿はたしかに宗教なので大奥がお水様信仰の宗教団体ともいえるのかな。それでも大友家のように裏と表で政権に影響を及ぼしていたリ、歌山の失脚を画策する勢力があったりと、権力争いの政争の場にもなっていたし、序列がある大奥でのアサの驚異的な速さでの昇進とかも面白かった。大奥の女中たちすべてが天子様のお相手候補ではないのだということや、綺麗な着物に憧れて大奥へきたカメだってけっして庶民というわけではなくそれなりの身分の家柄なんだと思う。カメが大奥から暇をもらって家に帰った後幸せに暮らせることを祈るばかりです。歌山に見込まれたアサはいずれ歌山の後継者になるのでしょうか。あるいは政争に巻き込まれ失脚してしまうのかな。いずれにしても次回作が楽しみです。
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