碧

夜、鳥たちが啼くの碧のレビュー・感想・評価

夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)
3.5
原作未読。

相手役も監督もあまり得意ではないけど、山田裕貴見たさで。
歪な関係を繰り広げる男女のストーリーとか好きな役者じゃなきゃ観れない。

夏の終わりの設定を、服装や花火大会よりもエアコンや扇風機など一切映さないことで身体にじっとりまといつく夜の暑さと2人の関係をリンクさせ見せていたのは上手いなと思った。

破壊衝動を抑えられない、鳴かず飛ばずのダメ男小説家・慎一を演じた山田裕貴がとても新鮮だった。
これまでのような、言葉で安易に説明のつく役柄ではなく新境地だったことだろう。

タイトルの「啼く」
泣くでも鳴くでもなく、啼く。
一羽がないたら、つられて他の鳥も次々なき続ける様子だそう。
まさにあの2人そのものだった。
近所で飼われていた尾っぽの長い鳥たちが夜毎啼く姿から、朝になり日常の2人に戻る流れ。
作家と脚本家の表現力の手腕が冴え渡っていた。

山田裕貴、2段飛ばしぐらいでステージ上がったなと思えた、色んな意味で感慨深い本作だった。

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ミナ

ミナの感想・評価

3.0
エロなし城定
まあそこは置いといて、
ストーリーにまったく刺さらず
「そこのみにて光輝く」がらみなのに
ドロドロなし
このタイトルってそんなん想像したじゃない
あっさり城定
逆にそんなふつうな空気狙いなの?
松本まりかが前塚本くんとの濡れ場がすごく
セクシーだったので城定作品でどうなるか
観てみたかったけどそこまで。
ストーリーもダラダラしてて特に。
タイトルにはいってるのにうっかり。
大の鳥苦手を忘れていた😅
しかし後輩の彼女、元カノ?と浮気しても
離婚する?子どもまでいるのに。
15/2023
mity

mityの感想・評価

3.5
今を健やかに過ごすためにふたりが決めたことだから、きっとあれで良いんだと思う。歪でも普通じゃなくても、心に空いた空洞を埋めるには、互いが必要で。それは、小さな身体で精一杯のシグナルを送っていたアキラにとっても、同じだったと思う。

行き場のない苛立ちを他人にぶつけ、物に当たり、自分は泣くことしか出来ない慎一。その何とも身勝手な行動に、恋人が我慢できないのは当然だと思った。嫉妬深い男の物語を書いては破り、また書いては破る。吐き出しても吐き出しても無くならない自分に対する憤り。そんな苦しさを抱えた慎一の元にきた裕子もまた、どうしようもない寂しさを抱えていて。アキラが寝た後に家を出ては、酔って帰ってくる裕子。母屋とプレハブと、その距離の分だけ互いに踏み込まないふたりの間の空気が揺らいだ瞬間、互いの体温と共に求めたのは、安心感だったように思った。

裕子の離婚の経緯が、偶々そうなってしまったとしても、慎一に対する当て付けのようで、何か裕子にとばっちりがきたように感じてしまった。裕子が離婚届にサインをした時、その向かいで不機嫌そうな表情を浮かべていたのが、印象的だった。

きっと長くは続かないだろうふたりのこれから。でも、そこに仄かな光をみたのなら、それはふたりにとってきっと正しい。そう思える優しいラストだった。


#130_2022
TKHR

TKHRの感想・評価

3.6
気になっててU-NEXTで鑑賞。
こういう雰囲気の映画結構好きかも。
松本まりかが結構セクシー。
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碧さんが書いた他の作品のレビュー

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