己の人生を振り返るとき。
初ベルイマン。
私なんぞに理解できないだろうと避けていた監督ですが、今年は生誕100年ということでこれを機にチャレンジ。
生涯かけてやり遂げた仕事には満足しているが、人付き合いを疎ましく思い避けてきた気難しい老男性イーサク。
死の気配と孤独を感じ始めた彼が見た悪夢。そして愛とは何だったのかという問いに浮かぶのは過去の情景。
そこにあるのは後悔と罪。
しかし旅で出会った人々や家族身内と改めて向き合うことで、彼のみる夢も少しずつ変わり、虚無感が消え自身の孤独を受け止めて始める。
イーサクも言うほど変人ではなく、普段からご年配の方の懐古談を聞くのが好きな私は、一緒に旅に出てる気分で難なく楽しめた。
デビュー戦で躓くと足が遠のくから、今作を選んでよかった。
モノクロの映像はスッキリと優美。あの悪夢の美しさよ…！
甘くて苦いまさに野いちごな作品でした。
