【クサい演出も含めた肯定感】
ちょっとクサい場面があって、でも、そんな違和感も含めて演出なのだと思う。
この若者たちは僕たちのメタファーだ。
前、何人かの友人が京王線沿いに住んでいて、車でピックアップする時は、当然のように甲州街道を走った。
とても渋滞するイメージがある。
ただ、僕の甲州街道の西の限界は八王子で、車だと、その先には中央自動車道でしか行ったことがない。
甲府は高速の他に、電車で往復したこともある。
山梨県立美術館のミレーの「落穂拾い」を観たいと先生が言い出して、ゼミの合宿が甲府になったからだ。
これが、僕の甲府初訪問だが、その後、仕事やらスキーの行き帰りでちょいちょい立ち寄ることになる。
信玄餅は人気のお土産だし、ワインも桃も有名だ。
山梨県は、関東ではないが、”首都圏”という括りには入るユニークな自治体だ。
これが、この映画に登場する若者の所在のなさと一致したのだろうか。
(以下ネタバレ)
精神安定剤なのか薬がないとやっていけないと言うルミやマナミだけではなく、なかなか周りと上手くやれないリリコや、前に進めないタイチ。
ルミのように同性でも裸は他人には見られたくないという人はいるだろう。
特技のつもりでも、人に見せるには勇気がいることだってある。
ロックシンガーでヴァージンは、おかしなことなのだろうか。
僕たちの勝手なイメージが、自由な考え方や選択のハードルになっていることは沢山あるのだ。
コンドームを財布に潜ませ、リリコは前から処女を捨てる準備をしていたのだ。
そんな密かな準備や努力を人はきっとしているのだ。
この場面は、つい笑ってしまうけど、人は傷つくかもしれないから、本当は笑ってはいけないのだ。
だから、笑わずに、バカにせずに、優しくエッチしたタイチはきっと良いやつに違いないのだ。
それは、心掛けとして、僕たちにも大切なことだ。
エンディングの歌、良かった。
それと、3人並んだお尻は、ルミに1票だ。