ブタブタ

追想のブタブタのレビュー・感想・評価

追想(1975年製作の映画)
4.0
この『追想』と言う邦題とポスターヴィジュアルが何かフランス文芸大作みたいで損してると思う。
タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』の元ネタで、『ダイ・ハード』及びその元ネタの『大陸横断超特急』等など「外部と隔絶状態の限定された空間でたった一人で武装集団に挑む」をかなり最初の方でやった作品で更にはナチスに無残に殺された妻子の復讐に立ち上がるおっさんMAD MAX。
そしてそれだけではなく主人公の医師(フィリップ・ノワレ)の繰り返されるフラッシュバックや記憶の混乱と混濁は単なる復讐劇を超えて物語に幻想的な色彩を帯びさせている。
無残に殺される妻と娘のくだりは医師の妄想(!)だし、もしかして妻と娘なんて本当は存在しない(又は事故か何かでとっくに死んでるとか)のでは?とも思わせる狂気を感じさせて、ラストも復讐を終えた医師が妻と娘がいる幻想の世界に旅立ってしまったのかと思わせる、復讐はいい悪い、単純な善悪論に落とし込まず何とも言えない余韻を残して終わるのも良いと思いました。
ブタブタ

ブタブタ