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10億ドルの頭脳のcatmanのレビュー・感想・評価

10億ドルの頭脳(1967年製作の映画)
4.0
大好きなハリー・パーマーの3作目。やっと観れた!…なんだけど、前2作に比べるとシリーズならではの魅力が薄れてしまっていてちょっと残念。先ず始まって直ぐに舞台がロンドンからヘルシンキに移ってしまう。(しかしここの場面転換は鮮やかで見事)。フィンランドの雪景色は綺麗だし、ハリーのロシア帽もよく似合ってるんだけど、イギリス要素がもうちょい欲しい。

マイケル・ケインの男前っぷりはシリーズ随一で、意図的に彼のハンサムなルックスをフィーチャーしている様にも見える。それはスタイリッシュでお洒落なオープニングにも顕著。まぁそれもそれでハリーらしく無い感じなんだよなぁ。一番の違和感は終盤の大掛かりでカオスな展開で、アメリカを馬鹿にした感じはなかなか面白いんだけど、あんまりにも荒唐無稽な展開は007のそれとそんなに変わない(本作は「007は二度死ぬ」と同じ1967年公開)。そんな中でも、お馴染みロス大佐とハリーの会話は相変わらず嫌味の応酬で楽しくなってしまう。ロス大佐イイねぇ。哀愁漂うピアノの旋律が印象的なテーマ曲も素晴らしい。

ヒロインが雰囲気ある美人だなぁ思ったらカトリーヌ・ドヌーヴのお姉さんであった。ボウイとドヌーヴの『ハンガー』を観た直後に何という奇遇。本作の直後に自動車事故で27の若さで亡くなったと知って切なくなりました…(-人-)
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