チッコーネ

10億ドルの頭脳のチッコーネのレビュー・感想・評価

10億ドルの頭脳(1967年製作の映画)
3.7
スパイものらしい流麗な音楽と、洒落たオープニングにワクワク。中盤からの畳みかけるような演出は、監督ならでは。エキストラの数はもう少し多かった方が良いようにも思うが、戦隊シーンの迫力もなかなかのものだ。
フィンランドロケの作品というのはあまり観たことがないため、美しい雪景色も目に楽しい。また「次なる怪物は、高度資本主義社会の中から生まれる」という脚本の読みも確かである。
俳優陣でもっともすごいのは、エド・ペグリー。『渇いた太陽』での怪演が印象的だったが、本作でも真に迫った狂人ぶりで、画面がグッと引き締まる。何という才能!在りし日のドルレアックが確認できるのもうれしい。