このレビューはネタバレを含みます
とりあえず，本作をDVDスルーした本邦の配給関係者は，全員頭から柴漬けの香りがする呪いにかかればいいんですよ．こんばんわ．三遊亭呼延灼です．
本作の悪魔さんには名前はありませんが，一人の人間を徹底的に追い詰めてから抹殺する手法は，悪魔界でも「アイツ，マジ性格わりぃよなぁ」と話題の事でしょう．それほどまでにヒリヒリした作品に仕上がっていて，監督さんが長編デビューとは思えない出来栄えで呼延灼はちょっと感動しました．劇場で観たかったなぁ．
いや，そりゃ婚約者が突然「邪なものが見えるの！」って連呼しちゃぁ，距離置こってなりますわな．ましてや，母親が精神疾患持ちだった場合．ちゃんと生涯解消しえないトラウマになってて，そこを的確に突いてくるなんて悪魔さんはマジ性格悪いわぁ．
中盤で「殺人現場を人に見せれば呪いはその目撃者に移行する」って解決方法が判明します．本作の悪魔さんはトラウマが力の源泉らしいので，自殺目撃よりも他殺目撃のほうがトラウマの規模は大きいって事なんでしょう．で，「あれ，もしかしたら甥っ子の眼の前で、母親殺害するんじゃねの？猫の遺体を目撃したトラウマを持つ甥っ子なんだから，ダブルチーズバーガー級に二段重ねでトラウマ抱えることになるんじゃん」ってラストを予想したのですが，さすがにそんな事はございませんでした．そこまで酷いと，スタジオも難色示すかもしれませんしね．
酷いといえば，猫が不幸な目に合います．そっち方面で心に傷を負いやすい方は，ご視聴の際して用法用量を守ってご視聴いただきますようにお願い申し上げます．
自殺を目撃した一人の人間に呪いが移転するという理屈ですが，じゃぁ例えば青木ヶ原樹海にただ一人で二度と戻れぬ道に踏み込んだり，自殺生配信とかしたら，悪魔さんはどうされたのでしょうね．または，殺人現場を目撃した人に呪いが移行するっていうんだったらその目撃した人を続けて殺し続けたらどうなるのか，とか．悪魔さんだって性格悪いんだから，人間だってそれくらいの意地悪な対抗策考えないと．
