チー鱈

エゴイストのチー鱈のネタバレレビュー・内容・結末

エゴイスト(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞後、「エゴイスト」という題名が持つ意味を何度も何度も反芻しましたが、結局答えは分からず難しかった(^ω^)
セクシャルマイノリティへの理解云々もありますが、個人的には、「愛」とは何かを考えさせられた作品でした。

この作品の題名でもあるエゴイストの「エゴ」と「愛」の違いについて考えた時、自分本位の感情から生まれるものなのか、相手への思いと、自分の意思を汲み取ったうえで生まれるものなのか、ではないかなあと思いました( ˘ω˘ )💭

龍太の死後、龍太の母へサポートをし続けた浩輔は、「エゴ」で続けていたのでしょうか?龍太や龍太の母への同情だけで動いていたのでしょうか?
絶対違うと思います。

恋人を愛することは前提として、その恋人が大切に思う人、つまり、愛する人の愛する人を同等に愛すことは、決して簡単なことではないと思います。
半端な気持ちだけでは決して浩輔のような行動を取ることは決してできません。
浩輔自身は、「愛が何なのか分からない」と言っていましたが、それは、自分の愛が伝わっているのか、愛を伝える方法がこの方法で良いのかと、不安に感じる中で浮き出た浩輔の弱さを表現する言葉だと感じました。
生活費の足しにとお金を渡すことが「愛」なのか?という疑問が残る気持ちも分かりますが、それは浩輔なりに、「愛」を伝える方法の一つだったのだと思います。(サポートはお金を渡すだけではなかったと思いますし、、)

個人的に、鈴木亮平様様の演技が大好きで、信者ですが、鈴木亮平さんをはじめとする役者の方々の演技が自然すぎたなあ、、すごい、、。終始引き込まれました。
浩輔の表情や話し方、仕草に女性の柔らかさや優しさがありつつも、強さを兼ね備えており、とても魅了されました。

また、鈴木亮平さんのインタビューを見ていると、愛する人が愛している人の前で自分を偽り、嘘をつくことの辛さ(龍太の母にはあくまで、友人関係として、龍太と接していた)があったと仰っていた。それは、序盤の方に浩輔が放った「人を傷つける嘘と、人を傷つけないための嘘」というセリフと重なる部分がありました。

(葬儀後に、龍太の母は二人が恋愛関係にあることに気づいていたと浩輔に話しますが)浩輔は、龍太との最期も偽りの関係性を演じるまま別れることになってしまいました。その辛さが伝わってきて、胸が苦しくなりました、、。
セクシャリティに正解、不正解はあらず、誰もが自由に愛し、愛されることができればいいのになあと思いました。
チー鱈

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