滝和也

女囚さそり けもの部屋の滝和也のレビュー・感想・評価

女囚さそり けもの部屋(1973年製作の映画)
3.8
血が滴る、片腕…。
手錠に繋がれた腕
と共に大都会を爆走
する女…
その名もさそり!

「女囚さそり けもの部屋」

恐るべきバイオレンス、アンモラル。暴走するシナリオ、脚本、演出。タランティーノが絶賛するシリーズだけありますよ。もはやストーリーも余りにも酷くて詳細は書けませんわ…。けもの部屋ね、確かにそうですわ。兎に角凄えな…こんなもんが普通に公開されてた70年代(笑) 思わず笑っちゃいますよ。

もはや、梶芽衣子演じるさそりは女の怨みの化身ですね。自らが手を汚さずとも、女の敵を殺していきますからね。更に不死身だし…、怖すぎる。

オープニングから度肝を抜かれます。前作で逃亡した松島ナミは、権藤刑事(御大、成田三樹夫!)と相棒に電車内で発見される。飛び掛かられた刹那、唸る白刃!一人を殺害し、手錠を掛けた権藤の腕を叩き斬り、駅外に飛び出し全力疾走!正にカルトバイオレンスの凄まじいロケ!そして娼婦ユキに助けられたが…。

成田三樹夫がこっぴどい目に合うのですが…そんなに悪い刑事でもないんですが…でも酷い目に合わされます…。

今作の敵は女を食い物にするヤクザ。組長に南原宏治、その妻に李麗仙。李麗仙の衣装が…魔女か戦隊ものの敵みたい(笑) 案の定こちらもこっびどい目に合わされますが…。

ラスト手前の地下、下水道を逃亡し続ける梶芽衣子さんの迫真の演技が凄まじい!ただラストのあれは、普通にバレます(笑)ここは無理筋なんだけど…余りにも凄くて気にならなくなっちまいます…。それにしても成田三樹夫がかわいそう…。

現代でこれを全国ロードショーするプロデューサーがいるなら会いたいですわ。凄まじいバイオレンスの嵐。見たい方は覚悟が入ります(^^)
滝和也

滝和也