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女囚さそり けもの部屋のとぽとぽのレビュー・感想・評価

女囚さそり けもの部屋(1973年製作の映画)
4.0
圧倒的目力!!! 虐げられてきた女性たちの怨念が取り憑いた/乗り移ったような主人公・梶芽衣子の有無を言わせぬ存在感から目が離せない。格好良すぎるだろ。やっぱり凄く尖っているし面白い、冒頭の地下鉄のシーンから惹き込まれる(だって刃物たったの三振りで男の腕を切り落とすんだぞ!)。前2作品見てから自分の中で少し時間が経ったけど、変わらず魅せられるものがあった。作品を包むというより支配するダークさと乾いた暴力性、そしてエネルギー迸る異様なシーンの連続。欲望を司り、70年代という同時代性の狂気溢れる空気を捉えている。今の日本にはなかなか無さそうな景色も多々。都会には女を食いものにする輩が大勢いる。そして女性性を搾取する男ども(とは限らないかもしれないが…)への壮絶なる報復、そこから生まれるカタルシス。下水道を駆け回る芽衣子様(高さが文字通りの社会構図にも?)。主人公が魅力的すぎる、まさしくアイコニックとかカリスマ性とかとはこのこと。鬼の形相 & クールビューティーとはこの事だといった感じで、だからさそりが普通に喋る様子など見ると思わず感慨深くなる(?)のはきっと僕だけじゃないはず。そして死んだ警官をマンホールからクレーンで引っ張り上げる様など、ビジュアルの面白さとインパクトも相俟ってグイグイと引っ張られるものがある。遂にはマンホールから油を入れて火炙り? 大迫力である。
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