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めぞん一刻 移りゆく季節の中でのtakのレビュー・感想・評価

3.3
高橋留美子作品の中で、最も原作を読み込んでいるのは「めぞん一刻」だ。ラブコメ要素満載の前半はもちろん楽しいのだけれど、話が煮詰まってきた後半の心の動きがたまらなくて最後の方は泣きながら読んだもんな(恥)。アニメが放送されていたのは大学時代。本作「移りゆく季節の中で」は、テレビシリーズの総集編として再編集された90分のOVA作品。BS12で放送されたので初めて鑑賞。

惣一郎さんの墓参りから始まって墓参りで終わる編集になっていて、響子さんと五代くんの出会いから二人をとりまく恋模様が中心。あの長いテレビアニメを90分にしてるから物足りないのは仕方ないにしても、特に後半はいい場面をきっちり選んでいて好印象。

総集編ではあるけれど、恋模様の緊張感は健在。八神いぶきが響子さんにからむ場面の切なさ、三鷹の前で泣き出す響子さん、九条明日菜と泥酔した三鷹さんのやり取り(この後の犬のエピソードが好きなので、カットされてるの残念)。

「こんなふうに心も抱けたら」
「ろくに手も握らせない男のことで泣くわわめくわ。」
「弱虫っ!」
主要な台詞をほぼ覚えている自分にいちばん驚いたw。そして惣一郎さんの墓の前での五代くんのひと言。
「あなたをひっくるめて響子さんをもらいます」
😭😭😭
五代君と同じタイミングで台詞言えるオレって何者🤣

本作は総集編だから単独の作品としては深みが足りない。いつかアニメ全編見直したい。コメディ要素も、恋愛のじれったさも、忘れたくない人を思う気持ちも、時にセンチメンタルな雰囲気も、親が絡んでからの人情ドラマも、全てが愛おしい。コミック読みなおそーっと。
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