三浦透子さんに海とタバコが合い過ぎる。
彼女の歌う主題歌が最後に流れるのが何ともメタ的に救われた気持ちになる。
狭いスケールの中で決して大きな事件が起きるわけでもない話だけど、分からない人には一生分からないし、分かる人には鋭く刺さって尚且つちょっとだけ救ってくれる作品。
個人的には後者。
恋愛や結婚をしない人、を一番傷つけるものって孤独とかではなく周囲からの無意識の圧力だと思ってる。
で、その事で周囲が勝手に傷ついていく現象にもっと傷つけられる。
「生きてる限り恋愛からは逃げられない」という台詞が表す通り、ヤリモクから無遠慮に彼氏いるか聞かれたり、自分に好意を持った人が勝手に傷心したり、勝手にLGBTQと決めつけられたり、劇中の政治家のような「多様性に理解ありますオジサン」から何か言われたり（全部良かれと思ってやられてるのが尚しんどい）、蘇畑の意図とは関係なくウンザリするような出来事が羅列されていて、そういう社会性からの無意識の精神攻撃から逃げ道を見つけようとする話なのかなと。
前田敦子演じる同級生も、一見すると蘇畑を理解してるようでいて、結末を見ると心の中では見下してたんじゃないかとも思ってしまうのは自分だけだろうか。
そういうものから逃げ出すことを、若干強引な気もするが最後に肯定してくれる。
トムクルーズの走り方を知ってたらもっと刺さったかもしれない。
