Risa

ラ・ピエトラ 愛を踊る女のRisaのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ピエトラ 愛を踊る女(2003年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

天才舞踏家のマリ=クロード・ピエトラガラが演じております。

乳癌に侵されたバレエの先生であり、ダンサーのマルゴ(ピエトラ)が死ぬまでの話です。
当時は完全に不治の病である癌の宣告というのは、死の宣告。

死を意識するピエトラは精神が崩れていきます。
愛する旦那にセックスレスだと言われ、自ら旦那を娼館へ連れて行ったり、娘には 冷たく当たり 距離を置く準備を始めるのです。
娘は、家出した母のことを『青空よりも愛してる』と父親に告げます。なんて優しいんでしょう。子どもは馬鹿ではありませんね。静かに見守ることを知っている幼い娘。

旦那はマルゴを愛していながら、末期癌のマルゴの異常な行動に頭をかかえ、愛の無い不倫を始めます。
他の女に愛されてギリギリ精神を保ち、そのギリギリ保った精神で、愛するマルゴの看病をして支えます。
歪んでますね。

死を直前にして、不倫がバレてしまい、
マルゴは狂い、拳銃で寝ている旦那を打とうとするが打てず、自分を打とうとしたが、銃弾が出ませんでした。
翌日 旦那に不倫を知ってしまった事を告げ
安楽死をしたいので 注射を打ってほしいと頼み、無事に安楽死。

しかし、話は淡々と流れていくように綴られます。話の間に何度も 現代バレエの舞台で マルゴが踊るシーンが挟まれます。
最初のシーンでは力強いしなやかさのバレエが、話が進むに連れ、しなやかさが格段と上がり、その代わりに 軽くなって いくんです。
軽くなる つまり 死が近づいていることが表現されている現代バレエのシーンは あまりにも美しいので涙無しに見れません。
最後には 踊れなくなるのですが、淡々と流れる話には冷めざめし、バレエのシーンが来ると 一気に泣いてしまうという 繰り返し。

なんとも 重く辛い映画でした、、
Risa

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