韓国の名優イ・ジョンジェさんが監督デビューし、更に脚本と主演も兼任した意欲作。
キャストはジョンジェさんの仲の良い人達を集めた印象ですが、そうであってもやっぱり韓国映画でお馴染みの面々になっています。
人材が豊富と言われた韓国映画も大作になると最近は飽和状態な気がしますね。
ファン・ジョンミンさんの友情出演は熱い。
お話は北朝鮮との関係や国際社会への対応というこの時代の韓国の緊張状態を基にしたリアリティーのある韓国お得意のスパイ映画。
日本のシーンもあるがそんなにネオンあったの？くらいで違和感なく背景は描いていました。多分、韓国の屋外スタジオかどこかの街でロケして美術やＣＧで標識などを足したのでしょうけどもよく出来てました。
しかし…外交官と言えどもそんなに銃を日本に持ち込めるか？と日本でそんな銃撃戦したら国際問題でしょうとその辺は盛り上がるもののリアリティーには欠けるところ…。
敵を欺くにはまず味方からを地で行くような二転三転する物語と複雑に絡み合う政治情勢とそれぞれの思惑。まさにスパイ映画と言っていい緊張感は素晴らしい。
市街地での銃撃戦や店の襲撃シーン、そして終盤の爆発などアクションシーンも迫力があり物語を盛り上げていました。
結局はそうなるかという仕方ないけれど物語上のモヤモヤはあるものの、ただのイ・ジョンジェさんによるイ・ジョンジェさんファン向けの映画にしないところは流石の韓国映画だなと感心しました。一級品のスパイ映画で非常に楽しめました。
