yuna

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのyunaのレビュー・感想・評価

4.8
ロンドン映画祭にて。
Me too運動の根幹を垣間見られる素晴らしい作品でした…!


以下詳細ネタバレ






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被害者である女性たちが声を上げるのがどれほど勇気のいることか、それはただ自分が目立ってしまうとか世間から叩かれるのが怖いとかではなく、捻り潰されてしまうのが分かっているからなのかもしれない。「過去は変えられないけど、同じ思いをするかもしれない人たちを救うことはできる」記者の精神に女性たちが応えるラストは涙が出そうでした。
劇中何度もbe on the record, off the record って言葉が出てくるんだけど、新聞記者って取材のたびに録音してるんだと勝手に思ってたから(ごめんなさい😂)、取材で話を聞く=記事に載せてもいいではないんだなというのにまずびっくりした。話を聞けたからと言って、それをpublishできるまでにはまた大きな壁がある。自分自身が著名人であればあるほど名前を使われるのは避けたいだろうし、記者たちだって自分が相手の立場なら匿名じゃないと嫌だろうけど、記事を本当の意味で広めるためには彼女らの声が必要で…と葛藤していて。あとは記事を出す前に本人に直接連絡取るのもこんなものなのか!と驚いた。そのシーンは向こうがアホっぽくてジワジワきました笑
ジャーナリストのとてつもない献身と、勇気を出して訴えることを選んだ女性たち、そして新聞社の信念を持った協力者たちのおかげで、世間に衝撃を与え、他の何十人もの被害女性たちが続いて訴えることができて、法律やセクハラの定義まで変わった。あんなに力があって大成功していてなんでも思い通りにされてしまう相手にでも、1人じゃなければ立ち向かえる…。こんなに大勢の人の人生が狂わされたことには怒りが止まらないしこんなにやりたい放題やってて許されてきた人間がいるってことがいまだに信じられないけど、この作品をきっかけに事件についてもっと知ったり職場のセクハラについて考える人が増えるだろうな、私もその1人です。
ところどころでじんわりくるユーモアも入れつつ、登場人物一人一人の苦悩に感情移入することができ、本当の意味でフェミニズムやMeToo運動の重要性を教えてくれる作品だと思いました。
劇場で映画見たのもこんなにみんながリアクション取りながら見てたのも初めてで、とてもとても貴重な経験でした…!!!
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